2013年5月18日土曜日

RaspbianをインストールしてRaspberryPiをWebサーバにする

DebianのRaspberryPi移植版であるRaspbianの公式で、Raspbian Installerというツールが配布されています。SDカードに書き込んでRaspberryPiから起動すると、対話式のインストーラでRaspbianをSDカードに上書きしてくれるというものです。これを使ってRaspbianをインストールし、Webサーバを動かしてみます。

1. SDカードのフォーマット

今回は手元にあった8GBを使いました。インストール中に上書きされてしまいますが、最初にインストーラのバイナリを書き込むためにフォーマットします。ファイルシステムはFAT32で、パーティションは一つ。Linuxでfdiskを使ってもOKだと思います(手順はこちら)。

2. インストーラのコピー

ここからインストーラのzipアーカイブをダウンロードして展開します。
  • bootcode.bin
  • cmdline.txt
  • kernel.img
  • loader.bin
  • README.txt
  • start.elf
の6つのファイルが展開されるので、それらをフォーマットしたSDカードへコピーします。このとき必ずbootcode.binを最初にコピーし、後から他のファイルのコピーをします。こうしないと、bootcode.binがカードの先頭アドレスに書き込まれないため、十分なファイルシステムを実装されていない最小構成のファーストステージブートローダでは見つけて読み出すことができません。(RaspberryPiのブートシーケンスはここ参照)

3. ネットワークの準備

Raspbian Installerはネットワークインストーラなので、正しくインターネット接続されている必要があります。またDHCPによる自動IP割り当てを利用するため、DHCP機能の付いたルータなどが必要です。

4. 起動

書き込んだSDカードをRaspberryPiのカードスロットに挿し、ディスプレイとキーボードを接続して電源を入れます。

5. 言語の選択

インストーラの表示言語を選択します。ここで選択した言語はインストール対象のDebianのデフォルトにもなります。


6. ロケーションの選択



7. キーボードの設定

接続したキーボードに合わせた言語を選択します。


8. ネットワークの設定

接続されるドメイン名とRaspberryPiのホスト名を設定します。


9. ミラーホスト選択

ここでは公式に記載のあるとおり、ミラーを自動選択してくれるmirrordirector.raspbian.orgを設定します。

ディレクトリは/raspbian/に変更。


HTTPプロキシは空白でOK。


10. インストールコンポーネントのダウンロード

「カーネルモジュールが見つかりませんでした。」というメッセージが出ますが、そのまま<はい>を選択します。


ダウンロードが始まります。


11.アカウントのセットアップ

rootおよび任意ユーザアカウントの設定をします。まずはrootのパスワード。


再入力。


次にユーザカウントのフルネーム。


ユーザアカウントのユーザ名。


ユーザのパスワード。


再入力。


12. パーティショニング

SDカードのパーティション作成を行います。


自動で推奨構成が設定されます。特に変更の必要がなければ、そのまま「パーティショニングの終了とディスクへの変更の書き込み」を選択。


変更の確認。<はい>を選択。


パーティションの初期化が始まります。暫し待つ。


13. システムのインストール

続いてベースシステムのインストール。暫し待つ。


「定義された APT ソースにインストール可能なカーネルが見つかりませんでした。」と表示されますが、そのまま<はい>


aptの設定。待つだけ。


利用調査の統計に協力するかどうか。任意で。


必要なソフトウェアの選択。SSH serverにチェックが入っているので、Web serverにもチェックを加えて、<続ける>


ブートローダなしで続ける」は、そのまま<続ける>


インストールの終了を待つ。


14. Webサーバの動作確認

ホストマシンのWebブラウザでRaspberryPiのIPアドレスを入力し、It works!というページが表示されればOKです。RaspberryPiのアドレスがわからない場合は、ディスプレイでログインしifconfigコマンドを入力します。


以上。

公式にもRaspbianのイメージがありますが、パーティションが2GB固定なので、apg-get update等するとすぐに容量がいっぱいになってしまいWebサーバのインストールができなくなります。容量の大きいSDカードに書き込んだ上で、gpartedでパーティションを拡張する方法もあると思いますが、今回はRaspbianインストーラーを使ってWebサーバを初期インストールしました。なお既存のRaspberryPiに後からWebサーバをインストールする方法はこちらのページに記載があります。

参考情報

Raspbian Installer


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