2014年4月10日木曜日

ウェアラブル開発に使えそうなボード3つ

毎年年始にラスベガスで開かれるCESといえば、その年のコンシューマーエレクトロニクス市場のトレンドを占う言わば「一年の計」です。今年のCESは、スマートウォッチや眼鏡型スマートデバイスの出展が牽引して「ウェアラブル元年」を印象付けるものでした。一般コンシューマー向けのエレクトロニクス製品もさることながら、やはり気になるのは開発者コミュニティーの盛り上がり。そんなわけで、コミュニティを駆動するウェアラブル向け開発ボードをチェックしてみたいと思います。

1. WaRP

http://www.warpboard.org/

FreescaleがCESで発表したWaRPは$149で2014年2Qの出荷を予定。i.MX6を搭載しAndroidを駆動するパワフルなアプリケーションサポートに加え、KineticsマイクロコントローラとのハイブリッドCPU構成でフィジカル方面の拡張性も期待できる。ただ、Kineticパートはドーターボードで接続というような記載があるのみで、具体的にどのように連携するのかはわからないです。コネクティビティとしてはムラタのワイヤレスモジュールを搭載し無線LANとBlootoothが使えそう。あくまでリファレンスプラットデザインという扱いなので、開発ボードとしてどれだけ普及が見込まれるかわかりませんが、Freescaleをはじめ、HW設計にRevolution Robotics、SW設計にKyneticsの両社がついており、信頼性と当面の調達性はいい感じじゃないかと思います。
image from www.warpboard.org

2. MetaWare

http://metawear.mbientlab.com/

Kickstarterのプロジェクトとして米MbientLabが開発しているMetaWareは、Cortex-M0をコアに持つNordic SemiconductorのSoCを搭載。WaRPとは対照的にアプリケーションプロセッサを削る一方、BluetoothでAndroidやiOSと連携して使うことに的を絞った設計。FCC/CE認証済みの「プロダクションレディ」を売りに、プロトタイピングからマスプロダクションまで幅広く狙っている模様で、サイズも製品搭載まで見越した25セント硬貨相当に収めています。Githubで公開されているライブラリをダウンロードしてAndroid/iOSプロジェクトにロードすることでAPIを使用できるようになるようです。本体にはファームウェアがプリインストールされているので、アプリの開発に集中できますね。本稿執筆時点で、$30からの寄付で本体プレオーダーができるとのこと。
image from www.kickstarter.com

3. CoreWind Tech WiFiG25 Module

http://armdevs.com/WiFiG25.html

産業用ボードコンピュータのCoreWindからは、AtmelのSoCを50mm×30mmサイズのモジュールに収めたWiFiG25が登場。CPUコアはARM9(400MHz)で、ちょうどWaRPとMetaWareの中間帯を埋めるような存在といえます。WiFiモジュールを標準搭載するほか、2×20ピンの拡張ヘッダが特徴的。ブートローダとLinuxカーネル、DebianルートFSは一応公式で配布しています。ただ、Freescaleのような著名企業がバックアップしているわけでもなく、かといってKickstarterのようなコミュニティ発祥でもない、この手の代物は開発コミュニティがいまいち盛り上がりに欠けるのが懸念点です。価格はRAM128MBモデルが$29.9、256MBモデルが$39と、とても手ごろ。ぜひがんばって欲しいところです。
image from armdevs.com

これらのほかにも、SDカードのフォームファクターでCESで注目を集めたIntel Edison、WiFi、Bluetooth、FM、NFCとワイヤレスコネクティビティてんこ盛りのIngenic Newton、アルテラFPGAを搭載したDenx MCV、なんとデュアルコアCortex-A9(1.5GHz)搭載でハイエンドスマホに匹敵するスペックを誇るDART-4460など、注目のプラットフォームが目白押し。どんなプロトタイプが出てくるか、とっても楽しみ。

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